
不眠
不眠症は、寝つきが悪い、眠りが浅い、あるいは早朝に目が覚めてしまうなど、睡眠に関する問題が長期間続く状態を指します。成人において、1ヶ月以上続く睡眠の質の低下が見られた場合、不眠症と診断されることがあります。睡眠は身体と心の健康に不可欠な役割を果たしており、不眠症が続くと、日常生活の質や仕事、学業、社会生活にも悪影響を及ぼします。
寝つきが悪い、眠りに入るまでに時間がかかる
夜中に何度も目が覚める、または早朝に目を覚ます
朝起きても疲れが取れない、眠気を感じる
日中の集中力や記憶力が低下する
精神的にイライラしやすい、感情の起伏が激しくなる
仕事や家庭でのパフォーマンスが低下する
このような症状が続く方は、当院までご相談ください。
不眠症の原因は大きく分けて、心理的要因、身体的要因、環境的要因の3つに分けられます。
ストレスや不安、うつ病などが不眠症の原因となることが多いです。特に精神的な負担が大きいと、リラックスできず、睡眠の質が低下します。
痛みや不快感、呼吸器系の疾患(例:睡眠時無呼吸症候群)やホルモンバランスの乱れ(例:更年期障害)などが不眠を引き起こすことがあります。
寝室の環境が整っていない場合(騒音、明るさ、温度)、不眠症を引き起こすことがあります。また、夜遅くまでの食事やアルコール、カフェインの摂取も睡眠に悪影響を与えます。
睡眠薬や抗不安薬を短期間使用することがあります。ただし、薬物に頼りすぎることは依存症を引き起こす恐れがあるため、医師と相談しながら使用することが重要です。
認知行動療法(CBT-I)は、不眠症に対する最も効果的な治療法とされています。患者さんの睡眠に対する認知や行動を改善することで、自然な睡眠を取り戻します。この治療法では、睡眠環境の改善や寝る前の習慣を見直すことも含まれます。
規則正しい生活や、睡眠前のリラックス法(瞑想や深呼吸など)を取り入れることが勧められます。また、カフェインやアルコールの摂取を控え、睡眠環境を整えることも大切です。
快適な寝室環境を整えることも重要です。暗く、静かな部屋で、適温の寝具を使用することが推奨されます。また、寝る前1時間はリラックスできる時間を持ち、スマートフォンやパソコンの画面を見るのを避けることが良いとされています。
一時的に不眠症を改善するために、薬物療法(睡眠薬や抗不安薬)を併用することがあります。しかし、長期的には薬物に頼らないことが望ましいため、薬を使いながら生活習慣を見直し、根本的な改善を目指します。
不眠症を放置しておくと、生活の質が低下し、うつ病や不安障害、高血圧、心疾患などのリスクが高まることが知られています。睡眠は体と心の健康を保つために欠かせない要素ですので、症状が長期化する前に早めの対策を講じることが重要です。